テレビで取り上げられたこともある日本酒、
山口県・旭酒造の純米大吟醸酒「獺祭」
居酒屋で見る機会も多いかと思います。
この「獺祭」の醸造工程に試験的にAIを導入するそうです。
日本酒造りもAIで
人工知能(AI)を酒造りの世界でも活用しようという動きが広がっている。杜氏(とうじ)らの経験がものを言う「職人技」のイメージが強い酒造りだが、長年の手技をデータとしてAIに学ばせ、品質の高い酒を目指すという。
(出典:読売新聞)
日本酒造りの流れは次の通り。
1.精米
2.洗米
3.蒸す
4.こうじをつくって投入(もろみの状態)
5.発酵(35日ほど)
6.しぼる
7.瓶詰め
今回AIを使った実証実験を行ったのは「5.発酵」です。緻密な温度管理や加水調整が必要で、過去の膨大な管理記録や職人の感覚が頼りになるそうです。実証実験ではAIにあらかじめ過去のデータを学習させ、条件を入力すると今後の状態を予測し、温度調節や水を加える量、タイミングなどをアドバイスしてくれるとのこと。
残念ながら実証実験は「6.しぼる」の工程を予定していた当日、西日本豪雨で被災し、味の評価ができなかったそうです。しかし、旭酒造では「5.発酵」以外の工程でもAIの導入を検討しているようです。
また、飲料大手・キリンは昨年夏から、ビールの新商品開発にかかる期間を短縮しようと、AIの開発を始めているとのこと。
生産の現場ではAIの普及は加速してくことが予想されます。消費者にとっては品質の安定した美味しい商品や、新商品が色々と楽しめるのはとてもありがたいことです。
一方で、こんな不安を持ったことはありませんか?
「技術に頼りすぎて人間が退化する。」
ここでいう技術とはAIやIT、ロボット、機械などです。
先ほどの日本酒造りを例にすると、「AIによる酒造りが成功すれば、職人の長年の経験と感覚が従来より必要なくなってくるのでは?職人自体も少なってくるのでは?」と考えてしまいます。つまり、人間の能力が衰えていくのではないでしょうか。
日本酒造りに限ったことではありません。
身近にある技術の進化を単純に便利だと思って利用している我々ですが、時間短縮のために作業を任せたり、人間にできない、または足りない能力を肩代わりしてもらっているわけです。このような事実を把握し、「技術進化」とうまく付き合っていくべきではないでしょうか。
身近な技術の例
・ナビゲーション
・自動ブレーキ
・自動運転
・自動翻訳
・教育AI(学校でデータを収集し生徒の苦手分野を指導)
・AI搭載ロボットによる面接
・AI融資
etc
ナビゲーションがなくても目的地に着けますか?
停電が起きた時、適切に行動できますか?
物事を多面的にみることはとても重要です。
技術の進化について、様々な視点から考えてみてください。
人間にしかできないこと、能力の開発にも目を向けていきたいものです。
手始めに、たまにはスマホを置いて遠出してみてはいかがでしょう。